寒山拾徳
2024年 10月 21日
十三夜が近づく或る日、
お茶のお稽古に行ってまいりました。
お茶室には、
秋明菊、芒、藤袴、
秋野に咲く花はさりげなく心に癒しを
いただけます。
お茶碗は、
月を連想させる
兎。
お菓子は、
こぼれ萩。
お軸は、
寒山拾徳
中国の唐時代末ごろ、
天台山の国清寺に住んでいたとされる
伝説の風狂僧。
このお軸では、
寒山と拾徳のふたりが
月を観ながら
論じ合っている様子が描かれています。
身なりも相当酷く
常軌を逸脱した様子で描かれますが、
寒山は文殊菩薩、拾徳は普賢菩薩の化身とも
いわれます。
人物を特定する持ち物(アトリビュート)として
寒山は経典を、拾徳は箒を持ち、
破布、蓬髪。
ふたりは、
主に笑ったり詩を吟じたりする姿で描かれますが、
世間から離れ超越した生き方をしていることから
悟りの境地に達した僧と云われます。
そこには、
"人を盲目に(詳しく知らずに)判断するな”という
考察も
折り込まれているといわれます。
宗匠は何もおっしゃることなく、
お軸とお花、お茶碗、
そして
一服のお茶で
季節の語りかけをなさいました。
十三夜に近い或る日の
お茶室風景です。
(スマホ撮影)
by mary_snowflake
| 2024-10-21 09:00
| 習い事