つるし雛は、
無病息災、良縁に恵まれますよう、
女の子が衣食住に困らないようにとの願いを込めて
桃の節句に飾られます。
江戸時代後期に始まったとされ、
静岡県東伊豆町稲取では「雛のつるし飾り」
福岡県柳川市「さげもん」、山形県酒田市「傘福」は、
ゆかりの地、
「全国三大吊るし飾り」とも呼ばれています。
動物、野菜、お花、遊び道具など、
糸につるした様々な細工物には、
それぞれ異なる意味や云われがあります。
例えば、
梟
フクロウは森の知恵者といわれ
知恵に恵まれますようにという願いが込められています。
不苦労とも書くため
苦労から免がれますようにとの願いもあります。
椿は、
優雅で美しい女性になりますようにとの願い。
唐辛子
可愛い娘とお雛様に虫がつかないように。
鞠
丸々と円満にはずむ心豊かな暮らしへの願い。
草履
健脚健康になりますように。
紫陽花
一家団欒、家族の強い結びつきへの願い。
兎
芯のある優しい人に成長するように。
おくるみ人形
大切な我が子を大切に包み、愛情豊かに育てる。
幸せな将来を願って。
柿
福や幸せをかき取る
栄養価が高く滋養があることから
健やかな成長への願い。
三色だんご
紅白は縁起物、緑の蓬は、味香りとともに
優れた薬草のひとつ
三角、三角火打
昔、薬袋は三角の形をしていました。
病気に無縁でありますように。
こちらのつるし雛は、
お嫁ちゃんのお母様のお手製、
孫娘Yちゃんへのお心尽くしの贈り物です。
孫娘が触る度にゆらゆらと揺れる様が美しく、
お母様の温かく深いお気持ちに感極まりました。
二年前、孫娘が誕生し、
長男とともに
お嫁ちゃんと孫娘をご実家に送り届けた日の、
お母様が淹れて下さった
美味しくて喉越しの良い温度の
緑茶を思い出しました。