その頃、我が家には、
ファミリーカーというものが存在しました。
休日には、家族で、時に愛犬達とともに、
そのクルマに乗り、
あちらこちらに出かけました。
愛犬達と一緒のお出かけは、
草原や野原、湖畔にある別宅でした。
可愛い舌をだし走り回る愛犬達と
三人の子ども達との触れ合いは、
つかの間、日常を忘れさせ、英気を養うには
十分な時間でした。
彼ら、愛犬達と積み重ねた日々は、
今も心に残る思い出です。
八年前、
そのクルマに亡き愛犬クローエを乗せて
お別れの場所へと向かいました。
送るその日は、土曜日でした。
木箱の中に横たわるクローエの周りに
我が庭に咲いた紫陽花でいっぱいにしました。
その場所までの往路は、
すこしだけ遠回りし
クローエのお母さん犬が住む家の前を通って行きました。
その時、クルマの中には、
「Stairway to Heaven」の曲が流れていました。
八年経った今も、六月に入ると、
この曲が、私の頭の中で流れます。
ワワン姫とともに、心静かに過ごしたいと思います。
**********
ワワン姫は、生まれてから
ずっと側にいた母親犬クローエが居なくなった日から
ひとりになるのを淋しがり、クンクンと泣きました。
それは、二か月程に及びました。
私も 一時、ペットロスシンドロームに罹りましたが、
ワワン姫と月日の力で、元気に暮らしています。
クローエと過ごした年月は、
私達家族にとって かけがえのないもの、
けっして忘れることはありません。
あれから、
一輪だけ咲いていた紫陽花、
今年は、我が庭に その花の姿が見えません。
写真の紫陽花は、
今年、色を変えて見事に咲き、
私と家族の癒しとなっています。
綴る場所があることに感謝します。