心を添えて


金沢は、薄曇り。
その店は、
宿泊するホテルから程近い場所に
ありました。

店内に入り、着席した場所は、
伝説の寿司職人の方の正面でした。
美しい白木のカウンター席です。
照明のせいか 、その大将に
スポットライトが当たっているように見えました。


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店内は、
包む空気が 尋常でなく、
どこか
穏やかで やさしい空間でした。

カウンターの向こうには、
あるであろう厳しさを
まったく感じさせない、
なんとも言えない この雰囲気は、
なぜか 生まれて初めてかもしれないと思いました。


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大将は、ネタを作っていました。
時折、客のほうを向き、にこやかに 話しかけられます。

「美味しいよ〜」
「どこから来たの?」
「苦手なものはない?」

穏やかな物腰です。


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多くの寿司は、
手渡しです。

手から手へ…。

「心を添えて渡すよ」

「ぼくは、あなたの元気をもらってますよ」


低いお声で 和かに
おっしゃっいます。

なんとも心地良い。
一瞬でできる信頼感。

(ご本人の許可をいただき、お手を撮影しています。)


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「美味しいです。」
思わず出る言葉。

これまで、
どれだけの賛辞を受けられたのでしょう。
しかし、
客の一つ一つの「美味しい」に、
まるで初めて受けたかのように 喜んでいらっしゃいます。

他のお客さまの中には、
「なんだか、涙が出ちゃう。」
「大将の元気をもらえるようです」


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寿司の味は、
私などが評することなど
とうていできません。
とにかく素晴らしい

見惚れるほどに 美しくリズミカルな所作、
その席から
離れられなくなるという感覚は、
私だけではなかったように思います。


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小松 「弥助」
金沢市 本町

東の次郎、西の弥助、
日本一とも言われる寿司職人の方は、
御歳86歳、
今でも 自ら 早朝より市場に出向かれると
いいます。


今日も お立ち寄り下さり、
ありがとうございました。
皆さま、幸せ多い日でありますよう。



< お店の方の許可を得て撮影しています。 私の記事の転用・コピーは 堅くお断りいたします。 >















by mary_snowflake | 2017-10-09 07:12 | 食べ歩き